Cineric Inc は1982年にニューヨークで設立。これまでに、1000本以上のフィルム修復、保管を行っており、世界最高品質の4Kデジタル修復を提供しています。長年フィルムを扱ってきた技術者を中心に、10カ国からなるクリエイティブかつ経験豊富なスタッフが作業を行なっています。
フォックス、ソニー、ユニバーサルといったハリウッドスタジオを筆頭に、米アカデミー・フィルム・アーカイブス、英フィルム・インスティテュート、オランダのアイ・インスティテュート、MoMA近代美術館、国際オリンピック協議会、オランダ国立映画博物館、ニューヨーク市立図書館、ウィットニー美術館、アンソロジー・フィルム・アーカイブス、ジョージ・イーストマン・ハウスなど世界の様々な機関と仕事をしています。
もっとも高い品質でスキャンされた素材から、最高のシステムと技術を使用し、監督、撮影監督、独立系映画作家、スーパーバイザーと、私たちの世界最高の専門家が共同でシネリックスタジオで協議し、注意深く高品質のフィルムを修復しています。これらの修復映画は世界各国の国際映画祭で発表され、その後デジタルリマスターとしてリリースされています。
近年、溝口健二、小津安二郎、川島雄三の監督作品など、KADOKAWAや松竹の日本映画の修復も積極的に取り組んでいます。2020年には稲垣浩が監督し、宮川一夫カメラマンの原点と呼ばれる『無法松の一生』(1943)の4K修復版が、ベネチア映画祭のクラシック部門でワールドプレミアされました。
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4-4-4 フルスイートデジタルパッケージ
- フィルムの最適評価と準備
- 4Kリキッドゲートスキャニング*
- 4Kデジタル修復- スタビライズ、フリッカー除去、ゲインコントロール、埃除去、フィルム斑除去、消失フレーム再現他
- 4Kカラーコレクション、グレーディング
- 4Kデジタル納品 DCP、HDCAM-SR、LTO他 フィルムアウト。ネガ、プリントフィルムへの光学フィルムレコーディング
- 品質管理
*シネリックのフィルムスキャン - リキッドゲートスキャンとは
リキッドゲートスキャンはフィルムをフィルムベースと同じ光屈折性指数を持った液体に浸しながらスキャンをする事で、ベース面、エマルジョン面のキズ、ダメージをスキャン時点で不可視化する技術です。これにより、画像のデジタル処理を極限まで減少させ、最もオリジナルに近く、最適化された画質のスキャンを実現させます。
私たちはリキッドゲートスキャンのみのサービスも提供しています。2Kまたは8Kでのスキャンも可能です。
8mm, super9mm, 16mm, 65mm他、年代や保存状態に関わらず、あらゆるフィルムフォーマットのスキャンを行なっています。
また、様々な配信フォーマットに対応しています。パンスキャン、再スケールなどセカンダリー配信用途に対応。ウェットゲートプリント、分離マスター、ブローアップ、白黒修復、ナイトレートフィルムにも対応しています。
ニューヨーク、ポルトガル-リスボンでのプライベート試写室、カラーグレーディングを提供しています。
FEATURED WORKS
CINERIC RESTORATION HISTORY
80年代、90年代に「アメリカン・グラフィティ」「アルゴ探検隊の大冒険」「鳥」「ファニー・ガール」「ケイン号の叛乱」などをのフィルムを修復。
2003年、アンソロジー・フィルム・アーカイブス主催の『初期の米国前衛映画 1883-1941』と題されたシリーズでは80作の35mmのネガを修復。シリーズはその後世界中で巡回上映を行った。
2005年には1956年アカデミー賞ノミネート作品『王様と私』を修復。
2006年にはスタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』を世界初の4K白黒デジタル修復。
2008年以降は、様々な国際的修復プロジェクトに参加。ブリティッシュ・フィルム・インスティテュートとデイビット・リーン映画4本、アイ・インスティテュートとオランダのクラシック映画を24本、国際オリンピック協議会とレニ・リーフェンシュタール監督の『民族の祭典』などを修復。
2015年、シネリック・ポルトガルをリスボンに設立。ヨーロッパ映画のみならず、米サイレント映画やインデペンデント映画、そしてアジアからの映画も修復。MoMA近代美術館管理下のフォックスのサイレント映画『三悪人』や『ハワーズ・エンド』そしてKADOKAWAと川島雄三監督『雁の寺』『しとやかな獣』『女は二度生まれる』。松竹から小津安二郎監督の『晩春』などを修復。
その他、近年に修復した映画は『怒りの葡萄』『わが谷は緑なりき』『ハスラー』『荒れ狂う河』『史上最大の作戦』(フォックス)『バイ・バイ・バーディー』『波止場』(ソニー)『タクシードライバー』『ナヴァロンの要塞』『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(ソニーと共同修復)『ジョーズ』『ドラキュラ』『フランケンシュタイン』(ユニバーサルと共同修復)『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(MoMA近代美術館とフィルムファンデーション)など。
2016年には、KADOKAWAとマーティン・スコセッシ監督の財団と共同で、溝口健二監督『雨月物語』『山椒大夫』『近松物語』の4Kデジタル修復プロジェクトを手がけ、カンヌ国際映画祭やベネチア国際映画祭で上映を行った。
2020年、再びKADOKAWAとマーティン・スコセッシ監督の財団と共同で、稲垣浩監督の『無法松の一生』(1943)を修復。日本を代表するカメラマン宮川一夫の原点と呼ばれる本作は、コロナ渦の中ニューヨーク・リスボン・東京を跨いで修復され、修復プロセスなどを追ったドキュメンタリー『無法松の一生』をめぐる数奇な運命~』と共にベネチア映画祭のクラシック部門で上映された。